1df7ab99.jpg


アーティスト:The Verve
アルバム名:Urban Hymns
リリース:1997年
オススメ度:★★★★☆


▽ Review

アーバン・ヒムズ(Urban Hymns)はザ・ヴァーヴ通算3作目のアルバム。1990年代のUKロック・シーンに残る名盤の1枚と評価されている逸品であり、セールス的にも全英で14週連続1位を獲得。全世界でも800万枚セールスを記録しています。また、オアシス(Oasis)のリアム・ギャラガーやコールドプレイ(Coldplay)のクリス・マーティンが“ベスト・トラック”として同アルバムの名をたびたび挙げる事で知られている歴史的名盤です。

ハイライト・トラックは、M3「The Drugs Don't Work」、M1「Bitter Sweet Symphony」。
「The Drugs Don't Work」はシンプル且つ哀愁感あるアコースティック・サウンドをベースに、ストリングスを駆使した叙情的で壮大なメロディ。“涙”なしでは語れない、ヴァーヴ史上初の1位を獲得した珠玉のナンバー。「Bitter Sweet Symphony」は“UKロック・シーンに新たなるルネッサンスを告げる都市の聖歌”とプレスに絶賛され、またオアシス(Oasis)のリアム・ギャラガーが30回以上連続して聴いたとされる歴史的名曲です。

※「Bitter Sweet Symphony」で奏でられるストリングスによる旋律…実は、元々ローリング・ストーンズ((The Rolling Stones)のマネージャー、アンドリュー・オールダム(Andrew Oldham)がオーケストレーションでカヴァ「The Last Time」の曲中にあるもので…これを無断でサンプリングしたとして、ロイヤリティーを1円も受け取る事が出来なかったと後にリチャードが語っています。

Review情報ソース:Amazon.co.jp
http://www.amazon.co.jp/Urban-Hymns-Verve/dp/B000000WF0/ref=sr_1_1



▽The Verve - Biography

ザ・ヴァーヴ(The Verve)は1989年に英国はウィガン出身のリチャード・アシュクロフト(Richard Ashcroft:vocal)を中心に結成されたロック・バンド。1990年代を代表する英国バンドであり、重要バンドである。1993年「ア・ストーム・イン・ヘヴン」 (A Storm in Heaven) でメジャー・デビュー。1995年にメンバー間の確執から解散するも彼等をリスペクトするオアシス(Oasis)の強力なバック・アップを受けて1997年に活動を再開。

復活シングル「Bitter Sweet Symphony」が“UKロック・シーンに新たなるルネッサンスを告げる都市の聖歌”とプレスに絶賛。同曲収録の3rdアルバム「アーバン・ヒムズ」(Urban Hymns)は全世界で800万枚セールスのメガ・ヒットを達成すると共に、1990年代のUKロック・シーンに残る名盤の1枚として評価されている。その後1999年に解散を表明、2007年に活動再開、2009年に再び解散を発表している。

Biography情報ソース:Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%B4



▽追記 / 私的見解

年を取るにつれ あれこれ話すことが 僕をうんざりさせる
溺れるのを待つ バックに詰め込まれた猫のように
今 僕も落ちていこうと思う

君が僕の事を考えてくれれば良いのだけど
だって独りきりでは 君は沈み込んでしまう

もうドラッグは効かない それはわかっているんだ
君を苦しめるだけだという事もわかっている
それでも僕は もう一度君の顔を見たいんだ

僕は知っている 僕は敗北の道を歩んでいる
見慣れた街を僕は通り過ぎる
君がもし顔を見せたいというのなら 教えてくれ
僕はいつだって君の耳元で唄を歌おう

もうドラッグは効かない それはわかっているんだ
君を苦しめるだけだという事もわかっている
それでも僕は もう一度君の顔を見たいんだ

愛しき人(君)よ もしも天国が呼びかけているなら 僕は行くよ
君の言う通り 僕は君の人生からいなくなってしまうだろう
僕は完全に消えていなくなってしまったほうがいいんだ

もうドラッグは効かない それはわかっているんだ
君を苦しめるだけだという事もわかっている
それでも僕は もう一度君の顔を見たいんだ

そう、もう一度君の顔を見たいんだ
そう、もう一度君の顔を見たいんだ
そう、もう一度君の顔を見たいんだ

僕はもうこれ以上落ちることはない これ以上
僕はもうこれ以上落ちることはない これ以上
僕はもうこれ以上落ちることはない これ以上


落ち込んだ時や凹んだ時、部屋で独り聴く「The Drugs Don't Work」。自分に言い聴かせる。「僕はもうこれ以上落ちることはない これ以上」と。例え、暗闇に放り込まれても、そこに僅かでも光があるとしたら、それは希望へと変わるから…。

リチャード・アシュクロフトは1度目の解散時、ドラッグに溺れたそうです。ドラッグ中毒に陥り肉体的にも精神的にも、まさにドン底。そんなリチャードを何度も励まし続けたのがオアシス(Oasis)のギャラガー兄弟。オアシス(Oasis)の2ndアルバム「(What's The Story) Morning Glory?」収録の楽曲「Cast No Shadow」では、ギャラガー兄弟独特の言い回しで“リチャード”の事を歌っています。Cast No Shadow =影さえ失くしたアイツ。

アイツがかつて口にした全ての理想の責任を背負いながら 
アイツがかつてあれほど嫌っていた場所へ縛りつけられながら 
アイツがかつて口にした全ての誓いの責任を背負いながら 
やっと陽のあたる場所へ着いた時は影さえ奪われていたアイツ…


The Drugs Don't Work とCast No Shadowとの関係性は残念ながらわかりません。しかしリチャードがドラッグ中毒となり“影さえ失くす”程、荒んでいたのは事実でしょう。ただどんな“闇”にいても、希望の光はあるはず。だって、そこが“ドン底”ならもう「僕はもうこれ以上落ちることはない これ以上」なのだから…。


◆The Verve - The Drugs Don't Work(youtube動画)
http://youtu.be/ToQ0n3itoII

◆The Verve - Bitter Sweet Symphony(youtube動画)
http://youtu.be/1lyu1KKwC74

◆Andrew Oldham Orchestra - The Last Time (youtube動画)
http://youtu.be/MKC5cdGBY04


<音楽CD Vol,137>