1967年リリース 1stアルバム全11曲(JP盤)  
 
おすすめ曲
M1「Sunday Morning」
           
おすすめ度:★★★☆☆


▽ Review

透け声にオルゴールのようなバックサウンドが精神に安らぎを与えてくれるM1「SUNDAY MORNING(日曜の朝)」(Vo,ニコ)。懐かしく心地よいM3「FEMME FATALE」(Vo,ニコ)、やM9「I’LL BE YOUR MIRROR 」(Vo,ニコ)。そんな安らぎから一転、ノイジー・ノイジー・ノイジー・・・まるで心の不安定を表現しているようなギターサウンドが強烈なM2「I’m WAITING FOR THE MAN」(Vo,ルー)。M7「HEROIN」(Vo,ルー)―――以上がオススメナンバー。

なお、「THE VELVET UNDERGROUND & NICO」は1967年にリリースされた1stアルバム(オリジナルメンバーとしては最初で最後のアルバム)。ルーの十八番「ノイジーギターサウンド」が魅せる精神の退廃と幻覚感や、本作のみ参加したニコ(ドラック常習性によりバンドを頸になった)のヴォーカルによる華麗にメランコリーなメロディー、を交互に味わえる傑作。その対比バランスは、まるで人間の心の変化、精神状態の躁鬱を体現でき、尚且つ現在のサウンドにも影響を与えている事が何となくだが聴けばわかる・・・ロック史上に残る名盤。


▽ THE VELVET UNDERGROUND - Biography

1965年、ルー・リード(Vo,G)とジョン・ケイル(Key)を中心としてUSはNYで結成されたバンド、ヴェルヴェット・アンダー・グラウンド。1967年、ポップアートの芸術家アンディー・ウォールのプロデユースのもと、女優兼モデルのニコをヴォーカルに迎え、1stアルバム「 THE VELVET UNDERGROUND & NICO」をリリース――――

その後3枚のアルバムを残しつつも、商業的な理由からレーベル解雇、ジョンの脱退等により70年に解散・・・(正確さを求めると、70年に支柱であったルーが脱退、71年になるとオリジナルメンバーが完全にいなくなり、入れ替わったメンバーが引き継いで活動をしていたらしい)。短い活動期間であったが、時代に反した異端児ぶり、ドラック性、精神状態を表現するかのようなノイジーギターサウンド、文学的且社会批判的歌詞・・・等は当時こそ受け入れられなかったものの、後世の、特にパンクバンドに多大なる影響を与え続けている。


▽ tanaの私的見解

日曜の朝。いつもよりゆとりある時間、モーニングコーヒーを片手にソファーに腰掛け、カーテンを開けると燦々と降り注ぐ太陽の恵みと、鳥達の囀り・・・まさに安穏、優雅、至福。様々な事に縛られ、頭を休める事を許されず、気持ちのバランスも上がったり下がったり激しい日常から、ちょっとだけ安らかに、そしてゆとりを心に与える癒しのカルテ。

「SUNDAY MORNING」はやっぱり日曜日に聴くと良い感じ。一時期、この曲に魅せられて、本作ではこの曲しか聴かないって時期がありました。優雅に癒されるまるで貴族のような気持ちになれて素敵なんです・・・まぁ今日もそうなんですけどね(苦笑)!

さて、最近はガレージロックリバイバル勢力が人気急上昇の中。ストロークスやリバティーンズのように、ロックンロールの初期衝動を感じさせるレトロ感あるサウンド、ノイジーさ、踊りたくなるような感触・・・そんな原点的な存在であるUV。現在聴いてみても違和感なく入り込めますよ。ルーリードのメロディーはかなりアツい。ただね、やっぱりガレージ、パンク系を直に感じたいなら2NDを聴くべきだと・・・。だってやっぱり1stは「SUNDAY MORNING」が良すぎてリピートしまくるから・・・。


<音楽CD Vol,26>