1999年リリース 2ndアルバム全14曲(JP盤)  
 
おすすめ曲
M01「Holiday」
M11「Close To Home」
M03「Valentine」

おすすめ度:★★★★☆


▽ Review

キャッチーなメロディーにして、パンキッシュスタイルも感じることが出来き、1曲目にして瞬く間に心を掴まれたM1「HOLIDAY」は本当最高!その他オススメは彼らの真骨頂であるキーボードを使った甘い味付け、そしてエモ声が何度聴いても色んなモノを回想させ、涙腺を緩ませるM3「VALENTINE」、M11「CLOSE TO HOME」。特にM11は、車の中とかで聞いていると、別にど~ってことのない我が家なのに、無性に恋しくなり、懐かしくなり、気が付くと目に涙が・・・。これは泣けます。

なお、「SOMETHING TO WRITE HOME ABOUT」は1999年にリリースされた2ndアルバム。日本における「エモ・ブーム」の火付け役にもなった勢いに任せたナンバーから繊細なスローナンバーまで・・・多角的に楽しめる青春爽快POP集。「THE GET UP KIDS」史上最高傑作との呼び声も高い。


▽ THE GET UP KIDS - Biography 

1994年に米国はカンザス州で結成された4人組バンド「ゲット・アップ・キッズ」。重層的なギターサウンドによる疾走感、甘いメロディーによる爽快感、そして今にも泣き出さんばかりのエモーショナルヴォイスを融合させ「エモ・コア」と云う新ジャンルを開拓。激しいのに何故か甘く切ない・・・そんなメロディーラインは、青春時代そのものを指しているかのような感覚を覚えさせ、幅広い層から支持を受けるも、2005年に突然、解散を発表した・・・。


▽ tanaの私的見解

歌が上手いってわけでもない。演奏が華麗で魅了するわけでもない。でもパンクのように勢いだけで叫び散らすのではなく、アイドルのようにビジュアルで訴えるでもない・・・。彼らは他ならぬ渾身のストレートで訴えるのです・・・。もちろんアレンジ力や構成能力に長けている事は認めますが、それ以上に必死さを感じます。プロ野球選手がやろうとしない、ヘッドスライディングや真っ直ぐ勝負を全身全霊で挑んでいます。その姿勢がメロディーであり、感情剥き出しの涙を誘うエモヴォイスであり、心に響き渡るストレートを作り上げているのです。

思い起こせば、勢いと脆さを背中合わせに抱えていたあの時代、それは1つの事に夢中になっていた時代でもあり、汚れを知らず仲間を信じた時代でもあり、夕焼けが眩しかった時代でもありました。毎日が新鮮でしたし、つまんね~なら楽しくさせれば良いって思っていました。でもいっつも壁にぶち当たってました。悔しくて泣きたくて・・・でも涙は見せてはいけない、そう教えを受けても、溢れるモノを止められない時なんて山ほどありました。感情が豊かでした。ゲット・アップ・キッズの「SOMETHING TO WRITE HOME ABOUT」は、そんな時代を甦らせ、笑顔と涙を私に呼び覚ましながら、優しく包みこむ青春回想CDでした。


<音楽CD Vol,21>